公認会計士

公認会計士試験の科目について解説

こんにちは会計士てるです。
今回は、前回の公認会計士試験概要に引き続き各科目の詳細についてみていきます。

短答・論文式 共通科目

まずは、会計士試験の短答式と論文式両方で出題される、4つの科目についてみていきます。

財務会計(会計学午後)

一つ目は、会計士の中心的な科目でもある財務会計です。財務会計は、主に計算と理論にわかれます。

計算はいわゆる簿記に当たるものであり、具体的な会計処理をどう計算し、仕訳として処理するかについて問われます。恐らく、試験勉強の中で最も時間を使うのが、この財務会計の計算です。

計算がどうやって財務諸表を作成するかに主眼が置かれているのに対し、そもそもの財務諸表とはどうあるべきかを問われるのが理論問題です。具体的には会計基準の理解や背景から出題されます。

管理会計(会計学午前)

次がこの管理会計です。財務会計が外部向けに公表するための会計であったのに対し、管理会計は内部向けの会計だと言われます。つまり、内部管理=経営に活かすための会計です。これも財務会計と同様に理論と計算に分かれます。

また、管理会計には大きく二つの分野があり、前者は過去を管理し、後者は未来を管理します。前者は、会社の売上原価をどのように計算するかを問題にした原価計算と呼ばれます。そして後者は、会社の経営上の問題をどのように数値として管理するかを問題にした(狭義の)管理会計です。

それぞれどのような問題が出題されるかについては以下の表にまとめました。

  管理会計 原価計算
計算 将来買収する会社の現在価値を
計算する。予算会計を策定・分析する
過去に発生した原価を計算する。
理論 理論的な管理会計手法
(現在価値の計算方法や財務諸表分析の理論)
原価計算基準の理解

企業法

企業法は会社法・商法・金融商品取引法から構成されます。この科目は見ての通り、法律を扱った科目であり、例えば、株式会社を設立するときの法律的な手順であったり、株式を発行するときの法的な規制や手順、 さらには、株式会社の機関設計、すなわち役員の配置に関する規制や義務等から問題が出題されます。

よく、会計士試験合格してからは会社法の知識は使わないと言われますが、それは大きな間違いです。
特に非上場企業の監査の場合、会社の法務担当の社員がいないこともよくあるので、その際に、会社法上の相談を受けることもあれば、違法なのではないかと指摘することもあります。
もちろん、会計士は法律の専門家ではないので、最終的には顧問弁護士と相談していただくことにはなりますが。とはいえ、クライアントからの相談に対応できないようでは、会計士としての価値は高くなりませんので、会社法の知識を合格後のアップデートすることは非常に重要だといえます。

監査論

会計士の独占業務は監査業務に他なりません。監査論は監査をやる上で最も重要になる科目といえます。
具体的な問題としては、監査基準の理解や基準の知識として記憶できているかが問われます。また、近年では、事例式の問題が出題され、どういった場合に監査上の問題があるのかを問われる問題もあります。

監査は実務についてしまえば具体的なイメージがわくため文書になっても理解できますが、受験生時代に文書のみで勉強していた時は最もイメージがわかず、理解が困難な科目といえます。

論文式試験のみの科目(必須)

次に論文式でのみ出題される科目について説明します。

租税法

租税法は法人税・所得税・消費税から構成される科目です。また、この科目は計算と理論に分かれる科目でもあります。

計算は、実際の税金を計算したり、所得を調整する問題が出題されます。

理論は、税金を規定について問われるものとその規定がどのような背景で作られたかについて問われるものがあります。また、近年の出題は少ないものの、税法の判例からの出題も存在しており、全体的な科目として幅広い知識と計算能力が問われます。

短答式を合格してからのほとんどの勉強はこの租税法に割かれるといっても過言ではないほど範囲は広く、また個人差が付きやすいため、得意な人はアドバンテージに、苦手な人は大きなハードルになりやすいかもくでもあります。

論文式試験のみの科目(選択)

最後に論文式選択科目について解説します。

経営学

ほとんどの人が選択する科目がこの経営学です。この科目も計算と理論に分かれており、理論はいわゆるドラッカーや マイケル・ポーター に代表される経営学の理論について出題されます。計算は、ファイナンスが主で、例えば債券価額やオプションの価値を計算される問題が出題されます。

経済学・統計学・民法

私自身、経営学選択でほかの科目については詳しく分かりませんので、詳細は省略します。基本的な方針としては、これらの選択科目を選ぶ人は、上位大学で、経済学や統計学、法学を専攻している人であり、全くの初学者の場合、かなりのディスアドバンテージがあるので、選択はお勧めしません
逆にこれらを専攻している人は、出題される問題はかなり基本的なものが多い(特に統計学)と言われますので、ほかの人と差をつける科目となります。

終わりに

公認会計士試験の試験科目についてみてきましたが、いかがでしたでしょうか。

大学受験、特に国立大学を受験した人にとっては、これくらいの科目数では驚かないかもしれませんが、そうでない人にとってはかなりの多さだと思われます。
短答4科目、論文でプラス2科目なので計6科目の勉強が必要になります。

また、一つ一つの科目の範囲はかなり広く、この中で一番範囲が狭い経営学で300P程度のテキストが2冊の予備校がほとんどだと思います。財務会計にいたっては多い予備校で10冊程度のテキストと3冊~5冊程度の問題集が配られます。

こう聞くと、とても自分には無理だと思われるかもしれませんが、実際のところ、公認会計士試験の難易度はどの程度なのでしょうか。次の記事では、公認会計士試験の難易度について解説していますので、ご参考ください。

ABOUT ME
会計士てる
大学3年時に公認会計士試験に一発合格。 その後海外留学を経て、大手監査法人に入所。その後、製造系の上場企業の監査業務、IFRS導入支援業務に従事。現在は国際金融部にてフィンテック系企業及び金融機関の監査・コンサルティング業務を行なっている。