簿記1級

【簿記1級】合格率が低い仕組みとそれを利用した攻略法を教えます。

 

こんにちは会計士てるです。

簿記1級は、公認会計士試験、税理士試験に続く難易度を誇る試験です。その合格率は毎回安定して10%台前半となっています。

今日はなぜ、簿記1級の合格率が10%台しかないのかという点とどうすれば合格できるかについて説明します。

簿記1級の合格率について

簿記1級の合格率は、冒頭でもお伝えした通り、10%台前半を推移しています。下記は簿記1級の合格率の推移を表にまとめたものになります。

ここ数年で一番低かったのは2017年11月試験で何と5.9%という上位国家試験レベルの合格率の低さです。

こうした合格率の低さは、次の2点の理由からきていると考えられます。

1:傾斜配点により合格者が管理されている。

2:問題のレベルが高く、得点がぶれやすい。

順番に説明していきます。

簿記1級の傾斜配点とは何か

傾斜配点とは、簡単に言えば受験者の得点をコントロールする行為のこと

例えば、元々は2点の配点にしている問題が、あまりに全体の出来が悪く正答者が1割しかいない場合、そこの配点を1点または0点に調整する場合があります。

逆に全体の出来が良かった場合は元々設定している得点よりも多くの得点を配点するということも考えられます。

このように、全体の出来を踏まえて、配点を変える採点方式のことを傾斜配点と呼びます。

傾斜配点をする理由は、合格率を安定させる目的があります。簿記1級は簿記検定試験の最上級資格であり、社会的に価値のある資格だと考えられます。

そのため、あまりに多くの合格者を出して、合格者のレベルが下がってしまうと社会的信用が下がってしまうため、それを避けるためにこのような配点形式にしていると考えられます。

これは、一定の得点率をクリアした場合に合格できる絶対評価試験に対して、母集団の上位〇〇%を合格させる試験であることから、相対評価試験と呼ばれます

日商簿記1級の場合は受験者の上位10%程度が取った点数を合格点として、合格を出しています。

もっとも、商工会議所は日商簿記1級も2級までと変わらず70%を合格得点率として受験要綱等に記載していますので、上位10%程度の受験者の得点が70%になるように調整するのが傾斜配点の本当の意味です。

簿記1級の問題のレベル

簿記1級の難易度の記事でもお話しした通り、簿記1級のレベルは相当の高さです。特に総合問題形式で出題されるため、管理会計分野では、一問のミスにより、その後の全ての問題を失点してしまうといったことが起こりえます。

また、簿記1級受験者は、主に公認会計士試験受験者と簿記1級のみ受けている受験者に別れますが、公認会計士試験受験者のレベルは一段違うため、少々問題が違ったり、問題のレベルが高かったとしてもあまり影響はありません。

その一方で、簿記1級のみを勉強している人はレベル差が大きく、特にボーダー付近の実力の人は少し問題形式が変わっただけで問題を解くことができない層が多くいます

そのため、たまに簿記1級で出題される過去問とは出題形式が違う問題が出た場合に大きく失点することになるのです。

上表の合格率が大きく下がっている回はそう言った問題が出題された回で、特に5.9%の解は論点の本質を理解している、公認会計士試験受験者しか合格できなかったと考えられます。

簿記1級の攻略法

簿記1級の合格率の低さは傾斜配点により、合格者を上位10%程度に絞っていることが原因でした。

攻略法はこの逆を取ればいいと考えられます。つまり、どうすれば母集団の上位10%に入れるかを考えるのです。それが分かったら苦労しないと思われると思いますが、結論としてはシンプルです。

みんなが取れる問題を確実に得点して、みんなが取れない問題は初めから解きにいかなければいい

つまり、みんなが取れない問題は傾斜配点で得点が来ない可能性が高いので、解いている時間が無駄になります。

簿記1級の合格のボーダー圏の人は全ての問題を解き切る余裕がないと思いますので、解かなくていい問題を避けて、解ける問題に時間を多く配分することで全体の得点が伸びることは大いに考えられます。

これは、公認会計士試験にも言えることなのですが、誰もが解けない難しい問題を解く必要はないということです。

みんなが取れる問題も実際にしっかり得点できるのは半数程度なものです。したがって、1級の範囲を全て完璧にするというよりは、重要な論点について、どんな形式で聞かれたとしても解けるように理解を深める方が合格率を上げるのには効果的です。

まとめ

まとめると、合格率が低い理由は、上位10%程度を合格者とするために傾斜配点による得点調整が行われていること、問題の難易度が高く形式が違っただけで多くの受験生が間違えるからです。

そして、攻略法としては、難しい問題(俗に没問といいます)は解かずに切って、解けそうな問題を解いて点数を稼ぐように時間配分をすることによって、合格率を上げられると考えられます。

簿記1級は問題の難易度も高く、また範囲も広いことから合格は難しいものとなっていますが、基本を積み重ねてること+戦略的に問題を解くことによりぐっと合格確率を上げられると思うので頑張ってみてください。

ABOUT ME
会計士てる
大学3年時に公認会計士試験に一発合格。 その後海外留学を経て、大手監査法人に入所。その後、製造系の上場企業の監査業務、IFRS導入支援業務に従事。現在は国際金融部にてフィンテック系企業及び金融機関の監査・コンサルティング業務を行なっている。