簿記2級

なぜ簿記2級は難しくなったのか? 難易度と攻略法について解説します。

こんにちは会計士てるです。

突然ですが、最近簿記2級の難易度がとんでもなく上がっていることをご存知でしょうか。受験生はもちろん知っていると思いますが、これから受験する人は知らない人も多いのではないでしょうか。

簿記2級といえば、就活で資格ランキングのトップ3常連の人気資格ですが、独学で余裕で受かるんじゃないかと思っている方も多いと思います。

今回は、最近はそんなことないよということをその原因とともに解説します。また、どうすれば受かるのかについてもご説明したいと思います。

簿記2級の難易度

例年簿記2級の難易度は合格率が30%で独学でも合格可能な資格といわれてきました。ところが、最近合格率が下がってきています。下表は、商工会議所が公開している合格率の推移です。

直近2回の合格率は15%とイメージの30%からは相当の乖離があることが分かります。また、先日行われた第151回の合格率も現在公表されているものだけで12%とさらに低くなっていることが分かります。

簿記1級の合格率が大体12%くらいなので、現在の簿記2級の合格率と簿記1級の合格率はあまり変わらない水準になっているんですね。

元々簿記2級は2,3カ月しっかり勉強すれば受かる試験だと言われてきました。でも、この合格率をみるととてもそうだとは思えません。おそらく4,5カ月しっかり勉強して受かるのが目安だと思います。

では次に、なぜ合格率が落ちたのかについても見ていきます。

出題範囲の改定

簿記2級の難易度が上がった理由は、出題範囲の改定によるものです。簿記2級では、平成28年から30年にかけて大きな出題範囲の変更がありました。

次のリンクは平成28年に適用される簿記二級の出題範囲の変更をまとめたものです。

https://www.kentei.ne.jp/wp/wp-content/uploads/2017/03/h28-h30_shokai.pdf

主な追加論点としては以下の通りです。

追加論点

・リース取引

・外貨建取引

・その他有価証券の処理

・税効果会計

・本支店会計

・連結会計

・連結会計 アップストリーム

これらの論点は従来簿記1級から出題されていた論点になっています。確かにどれも実際の経理業務に必要な論点であり、上場企業でこれらの処理をしていない企業はほぼないのではないかと思います。

その一方で、簿記2級のレベルから言ったらちょっと行きすぎな感じもします。

簿記2級の目標到達レベルは以下の通りです。


経営管理に役立つ知識として、最も企業に求められる資格の一つ。企業の財務担当者に必須。
高度な商業簿記・工業簿記(原価計算を含む)を修得し、財務諸表の数字から経営内容を把握できる。
高校(商業高校)において修得を期待するレベル。

商工会議所HP

企業の財務担当者レベルに連結会計のアップストリーム処理が必要かと言われればかなり疑問です。

この辺の処理は非上場ならば少なくとも財務責任者レベル、上場企業なら財務主任クラスの人が担当するはずで、担当者レベルの連結会計の全て担当することはまずないのではないでしょうか。

特に直近の簿記2級第151回では、複数子会社を持つ連結会計の処理が出題されました。

これが簿記二級で出題されたと言われなければ、間違いなく簿記一級の問題だと思っていたと思います。 簿記一級では標準か基本問題レベルでしたが、 あれを初見で解ける受験生はまずいないと思います。

このように大幅な試験範囲の改定に多くの受験生がついていけなかったために合格率が低下したと考えられます。

簿記2級の攻略法

ではこうした簿記2級を合格するためにはどうすればいいのでしょうか?

専門学校を検討せよ

第一に考えられるのは、どこか専門学校に行くことでしょう。試験範囲の改定により追加された論点は、どれも理解するのが難しい論点ばかりとなっており、独学で勉強する場合、理解できないか非常に時間がかかる場合が多いと考えられます。

したがって、安易ではありますが専門学校に行くことは簿記2級を攻略する上で有効になります。

従来の簿記2級のレベルであれば独学を進めていましたが現在の範囲になってから独学で勉強するのは非効率になりがちなので注意が必要です。

理解を重視した勉強を!

二点目は攻略法というより勉強法です。

従来暗記ベースでの学習が多くされてきた簿記2級ですが、今回の改定で追加された論点は仕訳や解法の暗記だけでは解くのが難しいものばかりです。

したがって、各論点の理解が重要になってきます。各論点の理解のためには具体的なイメージを持つことが重要だと思います。

例えば資産除去債務なら、資産除去債務とは資産を除去する際に必要な費用のことであり、賃貸契約をするさいの原状回復義務が代表例。

みたいに、具体的にこの用語は何を意味しているのか、そしてそれが実社会でどのように使われているかをイメージすることが必要です。

資産除去債務と言われてもピンとこないかもしれませんが、大学生以上なら部屋を借りる際に発生する原状回復義務(借りた状態まで返す時に戻す義務)と言えばイメージできる人もいるのではないかと思います。

これと同じように、外貨建取引やリース取引などもどんな取引があって、それをどのように捉えた結果、どのように仕訳が発生するのかを考えることが重要です。

テキストや問題集は一つでいい

資格試験に合格しない人の特徴を一つあげるとすると、いろんなものに手を出してどれも中途半端にしか身についていない人です。

簿記は知識をつければすぐに点数が上がるというものではありません。演習を重ねて、計算ミスがケアレスミスを抑える必要があります。

また、頭でわかっていても仕訳にするとよく分からなくなったり、精算表を作ってるとどうしたらいいのか分からなくなるものです。

そのため、いろんなテキストを見て、知識を集めるよりも問題集を何回か繰り返して演習し、問題を解ける訓練をすることが優先になります。

テキストや問題集は相性があるので、読みやすいと思うものを見つけてください。

本試験で出ていない問題を勉強する必要はない

簿記を勉強する人は比較的まじめな人が多いと思います。そうした人にありがちなのが、完璧主義思考です。全ての範囲を完璧にしようとするのです。

でもこれはかなり非効率な勉強法なので、ぜひやめていただければ幸いです。

簿記2級には様々な論点がありますが全ての重要性は同じではありません。絶対に出題された場合に得点が求められる論点から、でたらまあ落としてもしょうがない論点まであります。

試験は出題された場合に絶対得点しなければならないものだけでも十分合格できる点数にはなるはずです。なので、その範囲に絞って集中的に勉強しましょう。

その論点が必要かどうかは過去問を見れば分かります。これははっきりと過去問で出題される論点が重要だと言えます。

過去問の出題問題を見ていると毎回出題される論点と数回に一回出題される論点、ほとんど出題されていない論点に別れると思います。

例えば、引当金、有価証券、減価償却あたりは毎回、第一問の仕訳なり、第三問の精算表のどこかで出題されている傾向にあります。

こうたった重要な問題のみに注力することができれば、合格に近づきます。

簿記2級攻略まとめ

本日のまとめ

・独学では難しい!

・暗記ではなく理解!

・テキストは一つを集中的に!

・完璧主義は捨て、重要なところだけ勉強!

以上を抑えて効率的に簿記2級に合格しちゃってください!!

ABOUT ME
会計士てる
大学3年時に公認会計士試験に一発合格。 その後海外留学を経て、大手監査法人に入所。その後、製造系の上場企業の監査業務、IFRS導入支援業務に従事。現在は国際金融部にてフィンテック系企業及び金融機関の監査・コンサルティング業務を行なっている。